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測定ソフトの改良 [歪率計]

以前は信号レベル対歪カーブの途中におかしなピークが出ていたが、1ステップずつ送って調べたところ、ある条件で入力アッテネータの調整に失敗して波形がクリップしていた。またSB-HDに変えたところ、入力感度の違いで時間波形の振幅が少し小さくなったため、アッテネータのステップ間を行ったり来たりして収束しない場合があった。
レベル調整アルゴリズムを再検討するとともに、測定スピードのアップを図ったところ1ステップ2秒ほどで測定できるようになった。54ステップの測定が1分55秒で完了する。
Win7_歪50Ω_2周波数
今度は、0.02W近辺の段付きが気になる。これは感度を上げるためにU2アンプのゲインを上げると、ゲイン切り替えリレーを駆動するスイッチング電源のノイズ(25kHz付近のノイズが盛り上がる)も増幅され、THD+NのNが増加するためだ。リレーを駆動用電源をオペアンプと共通化するのは後にして、とりあえずスイッチング電源をトランス式のACアダプタに替えてみた。SONYのCDウォークマンのACアダプタが4.5Vだったのでそれを借用した。
U2ゲインを128倍にして1mVの信号を入力してもFFT波形におかしなピークは無くなった。しかし4.5Vは非安定化のため、50Hzと100Hzにハムノイズが乗っている。
Win7_システム歪_最高感度
歪測定の結果も改善された。まだ段付きは多少残っているが、4.5V安定化でさらに改善できると思う。
Win7_歪50Ω_1周波数

16Ω負荷で400Hz,1kHz,10kHzの3周波数で測ってみた結果がこれ。測定速度が速くなったので、気軽に実験ができるようになった。
Win7_歪16Ω_3周波数
10kHzで歪率が悪化しているが、おそらくこれがこのヘッドホンアンプ(オペアンプ一発)の実力だ。使っているNJM4556Aのカタログ上では、オープンループゲインは10kHzでも充分ありNFB量も稼げるはずだがそれは負荷が軽いとき。負荷が重いと周波数特性も苦しくなる。
カタログ上の最大出力電流は73mA。16Ωで0.1Wのときの電流は79mAだから最大出力電力は出力電流の限界と一致する。

測定系の影響が出るとすればサンプリング周波数と周波数帯域の不足だ。96kHzでサンプリングしているとはいえ、10kHzの信号では1周期に9.6ポイントしか入らない。それが出力、入力を経ると歪の増加として認識されてしまう。周波数帯域が48kHzで切られているのでそれ以上の高調波は測定できず歪の減少として認識される。歪率計の入出力を直結して測ると10kHzのとき0.01%くらいだから、測定結果が0.1%ならまあ信用してもいいだろう。
ちなみに5kHzなら0.006%、15kHzで0.015%、20kHzで0.02%くらいだ。被測定アンプの歪率によって、どの周波数まで信用できるか判断しなくてはならない。
15kHzのときの時間波形を拡大したのがこれ。信号の実効値はきちんと取れているのがFFTの不思議なところ。
Win7_システム歪15kHz


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