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出力段バッファ付きヘッドホンアンプ(その1)再設計と組み立て [ヘッドホンアンプ]

回路方式によるそれぞれの動きはだいたいわかった。そうするとちゃんと組み立てて鳴らしてみたくなる。バッファ回路をAT-HA2(改)のケースに入れようとしたがどうにも納まりそうがない。部品数が少ないダイヤモンドバッファでもダメだ。仕方なく、オペアンプも含めて別に組むことにする。
電源電圧の変動による影響が小さく、終段の駆動力に勝るダーリントンバッファを採用することにして、回路図を引きなおした。

ダーリントンバッファつきアンプ(再)

入力には音量調節のVRを付けることを前提にR4は大きくした。オペアンプの出力とバッファの間には100ΩのR7を入れる。直結だと入出力がオープンのときにちょっとしたこと(GNDの引き回しを変えたり手をかざしたり)で数MHzの発振波形が観測されたからだ。

オペアンプとバッファの電源経路は電源端子から分岐し、それぞれにバイパスコンデンサを配置する。バッファ側のコンデンサC6とC7は1000μFを奢った。単電源の場合はDC(直流)を切るためにC6が不可欠だが、音楽などのAC(交流)信号から見ると、C6は負サイクル時の電源になる。正サイクル時のエネルギー源はC7(もちろん電源ソースも)で、そこからQ4→C6→RLを通って電流が流れる。負サイクルではC6からQ5→RLが電流経路になるから、C6だけがエネルギー源だ。
単電源出力電流
16Ω負荷のとき1000μFとの時定数は12ms、ハイパスカットオフ周波数は9.9Hzと計算しそうになるが、これは最大出力を超えて完全にクリップした場合の話。通常範囲の出力電流ならQ5が直列に抵抗として働くから心配するほどではない。ほかには、正サイクルではC7とC6が直列になり(合成容量が半分?)負サイクルではC6だけというアンバランスと、C6がNFBループ外のため負帰還の恩恵にあずかれないことに気がつく。確かに気持ちは悪いが実質どの程度の影響があるかはわからない。どうしてもC6を除きたければ±電源にすればいい。
両電源出力電流

全体に応用するとこんな感じか。
両電源HPアンプ

それでも完全DCアンプと言うにはC1とC2が邪魔だ。C1はFET入力のオペアンプにすればなくせる。C2をなくすためにはオフセット電圧調整用の回路を追加しなければならない。AT-HA2の中に入れないならどうにでもなるが、とりあえず元の回路で組み立ててみよう。まあ、出力コンのおかげでアンプが壊れたときに直流が出ないという安心感はある。

ダーリントンバッファ付HPアンプ基板表

ほとんどの部品は千石電商で入手。ユニバーサル基板は裸で売ってる95mm×69mmのやつ。茶色い電解コンは安い低ESR品。ネジ端子は手持ちのものだが千石でも類似品を売ってる。4.7μFのタンタル電解があったので入力カップリングに使ってみた。縦挿しの抵抗は後から追加したため。また240Ωを買い忘れたので120Ωを2個直列にしてある。

ダーリントンバッファ付HPアンプ基板裏

ハンダ付けは楽しい。さて動くかな。


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コメント 2

マー

位相補正用コンデンサやzobelフィルターなどの特集もお願いします!とても面白いです!
by マー (2011-01-08 00:30) 

Hero-Tak

コメントありがとうございます。
ヘタに位相補正をいじり始めるとドロ沼にハマる恐れがあるので避けていたのですが(苦笑)、パワーアンプをやると手を付けざるを得ませんので、そのうち書くと思います。たぶん忘れたころに・・・
by Hero-Tak (2011-01-08 12:17) 

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