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出力段バッファを検討する(その4)ダイヤモンドバッファの試作 [ヘッドホンアンプ]

ダーリントンバッファと同じオペアンプ回路にダイヤモンドバッファを組み合わせた実験回路がこれ。

ダイヤモンドバッファつきアンプ

設計と違っているのは手持ちの部品を使ったため。R8とR9は51Ωを2個パラレル接続して25.5Ωになっている。R12とR13は10Ω2本をパラった。R6は発振止めのつもりで付けた。一応根拠はあるのだが、それ以前にインバーテッドダーリントンとかの異極性トランジスタの組み合わせにはあまり良い印象がないのだ。
オペアンプの空いているチャンネルを使って、ダーリントンバッファの隣に組んでみた。写真の上側がダーリントンバッファで下側がダイヤモンドバッファ。

ダイヤモンドバッファ仮組み

R12の両端電圧は0.17Vだ。抵抗値が5Ωだから34mA流れていることになる。R8とR9が設計より小さいのに多目の電流が流れている。設計がラフだから、とも言えるが精密に設計したって実機での調整は必要だから同じことだ。
オシロスコープで見ても発振はしていなさそうだ。試しにR6を外して直結してみたら、無負荷のときに40MHzくらいの発振波形が確認できた。この周波数だとオペアンプのゲインはないから、位相回りと負帰還のせいではなく、エミッタフォロワ自体の発振だろう。
負荷抵抗の違いによるひずみ率特性は以下のとおり。

THDダイヤモンドバッファ

50Ω負荷のときの無ひずみ最大出力はダーリントンバッファより大きい。バイアスのために電源電圧を無駄にしていないことと、サイン波の上下が均等にクリップし始めるから、プラスマイナスのバランスも良い。
ただし16Ω負荷のときの最大出力はほぼ同じだ。ひずみ率はダーリントンバッファのほうが良い。インピーダンス変換効率は少し劣るということか。ダイヤモンドバッファはQ3(Q4)のベース駆動電流をR7(R10)からもらい、Q1(Q2)がその電流を引き抜くことで出力を制御している。信号の振幅が大きくなるとR7(R10)にかかる電圧が下がって電流が流せなくなり、Q3(Q4)の駆動力が落ちる。R7(R10)の抵抗値を下げてやれば特性は改善するだろうが、Q1(Q2)による(ある意味無駄な)電力消費が増える。

スピーカーなどの低インピーダンス負荷を大電力で駆動するにはダーリントンバッファのほうが適しているし、ヘッドホンやラインアンプなど比較的小出力でよい場合はダイヤモンドバッファのほうが便利だ。シングル入力でバイアス回路が要らず、入力インピーダンスもそこそこ高いので、オペアンプではなくシンプルな電圧増幅段と組み合わせても面白いヘッドホンアンプができそうだ。そのうちオールディスクリートで組んでみよう。

ヘッドホンをつなげばステレオで音が鳴る。左右で方式の違う回路なのも変だが、NJM4556AD一発のAT-HA2(改)との違いはよくわからなかった。まあ、こんなバラック組みで特性や音質の評価をしてもしょうがない。実際GNDラインがちゃんと引けていないし、部品のリード線も長いままだ。パスコンやジャンパ配線を少し変えただけでひずみ率が変わる。しっかりした電源と組み合わせてケースに入れた状態で聞き比べなければダメだ。


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